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釜石医師会報

No.362 令和4年10月号

劔岳

昨年夏に登りました。威風堂々、ギザギザして格好いい山。天気はバッチリで、山頂からは北アルプスの峰々と日本海を見渡せます。北陸・富山の虜になる山旅でした。

はまと神経内科クリニック 浜登 文寿

巻頭言

諍えないものについて
県立釜石病院 川上 幹夫

 1966年のフランス映画、『男と女』の挿入曲に『あらがえないもの』というタイトルの美しい曲があります。恋愛映画ですから、どんなに苦しくても僕らは愛にあらがえない、といった内容の曲です。何十年も前にNHKラジオ、23時頃のインストルメンタルの曲を流す番組のオープニング曲にも使われていました。しかし昨今はあらがいたいことばかり、新型コロナ感染症、円安、大国の横暴、ウクライナ侵攻、地球温暖化、それに伴う異常気象、某宗教団体問題、日本の、岩手の、釜石の人口減少問題、医師の偏在、医師の働き方改革、労働賃金増えていない問題等、なんとも沢山あります。
上記の一部の問題は長い地球の歴史から見ると当たり前、受け入れるしかないとおっしゃる偉い学者先生方がいるかもしれません。地域医療の観点から見ると当地は県下で最小の医療圏で、さらなる人口減は今後医師の配置、病院の規模、財政支援等で真っ先に減少、縮小を招きかねません。いくつかの診療科の機能縮小はすでに始まっています。今、そこが一番気がかりです。人口減は避けられないとしても、せめて頑張って人口減少のスピードを緩徐にする工夫が必要と思います。
 あらがえないもの、その答えは、、、愛、がベストアンサーで(寿命は仕方なし)、あらがうべきものが一つでも減っていくことを、またコロナ流行前の極く普通の生活に早く戻れることを期待しつつ職場に通う毎日です。

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