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釜石医師会報

No.378 令和7年6月号

「白川郷」

世界遺産に登録されている白川郷「合掌造り集落」は大小100棟余りの合掌造りが数多く残り、また今でもそこで人々の生活が営まれている集落として知られています。
 ゴールデンウイーク5月4日東京駅発のバスツアー上高地&飛騨高山・白川郷1泊2日ツアーに参加した。バスの運転手さんの話では昨日のツアー組は渋滞のため白川郷に辿りつけずに引き返したとのこと。
 なんとか1日目は無事上高地に着き散策後、飛騨高山に宿泊。2日目に白川郷に高速道路で向かったが無線で白川郷近くは予想通り大渋滞らしい。運転手さんと添乗員がひそひそ相談してたかと思うと運転手さんが突然「遠回りして山道を通って行きます」とアナウンスした。かなり細い道もあり怖かったがなんとほぼ時間通りに白川郷に到着した。素晴らしい機転であった。
 白川郷をゆっくりと散策した後、一路東京へ向かったが帰りは7時間の長旅であった。

小笠原内科クリニック 小笠原 善郎

巻頭言

医療施設動態調査から読み解く釜石の今後
釜石ファミリークリニック 関 利満

 日本の医療体制を考える上で、病院数は重要な指標です。
 医療施設動態調査2024年7月末時点での日本の病院数は8,064施設。また、病床数は1,470,615床という結果になっています。
 日本の医療提供体制は少しずつ縮小傾向にあります。2013年から2024年までの約11年間で、476施設が減少しています。これは年平均で約43施設の減少ペースです。
 減少傾向の背景には、日本の病院が単に患者を治療する場所としてだけでなく、地域の医療・介護ニーズに応じて多様な機能を持つように変化していることがわかります。地域別にみる病院数の実態では岩手県:92施設、全国21位。
 人口当たりの病院数が多い県は、比較的人口が少なく、高齢化が進んでいる地方県です。岩手県の総人口は推計で116万3000人となり、25年連続で減少し戦後最も少なくなりました。2023年時点の釜石市の人口データによると、過去10年間の約20%の人口減少というトレンドを引き継いでおり、依然として減少傾向が続いています。
 少子高齢化、都市部への人口流出、若年層や働き盛りの世代が、教育や就職のために都市部へ移住するケースが増えています。
 人口減少問題における主な論点は4つあり、「社会動態の改善」、「出生数の維持」、「外貨の獲得・地域内循環」、「あらゆる人材の活躍」へ複合的に取り組みが必要です。
 人口が増加した市町村では、20歳代から40歳代の人口構成割合が高く、出生率が高くなっています。このことから、地方の市町村において人口が増加したのは、良好で安定的な雇用環境の下、住環境整備や子育て支援等の取組が進められることで、人口の流入、定着がみられ、若い子育て世代の人口構成割合が高まり、出生率が高まっていることが要因となっている場合が多く、医療においても高齢者中心から出産は出来なくても子育てが安心に行える地域でないと10年後の釜石の未来はないでしょう。

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