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釜石医師会報

No.349 令和2年8月号

しゃくなげ

七回目の登山でやっとお目にかかることが出来ました。つつじと並んで五葉山の代名詞の花の一つです。

はまと神経内科クリニック 濱登 文寿

巻頭言

新型コロナ、感染防止を
釜石厚生病院 植松 美行

 新型コロナウイルス感染症の拡がりが続いています。5月25日に緊急事態宣言が全国で解除され人々が街に繰り出して、再び感染者数が増えてきました。岩手県では7月27日時点では感染者はゼロですが、感染対策を怠らないようにすることが重要であるのは言うまでもありません。この感染症は、発症前に感染性が強まりまた無症状の人がいるのが厄介なところで、思わぬところから拡がる不安と恐怖があります。「コロナ不安」を訴える患者さんは3、4月頃よりは減っていますが、院内感染を絶対に生じさせないことなど、これまで以上の緊張感をもっての取り組みが必要と考えています。
 しかし一方で、三密(密閉・密集・密接)を避けるようにと言っても、密閉に対しての換気はともかく、人間が社会性を維持しとくに子どもたちが成長するためには密接な関係性の形成は本質的に不可欠のことであって、その対策は悩ましいところです。外出自粛も「自粛警察」のようにあまり過度になると、高齢の方が引きこもりがちになってしまいます。そもそも出歩いている人が少ない釜石では、あまり不安にかられず臆せずに散歩にでも出るようにと外来では勧めるようにしています。さらにこれから暑くなっていけば、マスクをつけたままで居ることも熱中症のリスクになります。WHOの改められた方針でも、マスクは「人との距離をとることが難しい場合に」着用を推奨するとしています。
 マスコミなどで言われる都市モデルの対策にとらわれすぎず、釜石において適切な感染防止を呼びかけていくことも医療関係者に課せられていることであり、それと日常の社会生活・心身の健康の維持を両立させていくことが、これからおそらく長期にわたるであろう新型コロナウイルスとのたたかいに大切なことではないかと思います。

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