背景色
文字サイズ標準

釜石医師会報

No.325 平成28年8月号

今年は、4月末に五葉山に登った際に指導員の方が「今年の花はツツジもシャクナゲも花芽がたくさん付いているから、花が沢山咲くよ」と教えてくれたので、スケジュールを苦心して、5回目でやっとそれらしいシャクナゲの写真が撮れました。暖冬や猛暑が続くと来年の花芽はどうでしょうか?

独立行政法人国立病院機構釜石病院  土肥 守

巻頭言

主治医は患者さんの専門医
はまと神経内科クリニック  浜登 文寿

 今年の秋、日本内科学会の総合内科専門医の試験を受けてみることにした。以前から、内科の知識を一度整理してみたいと思っていたが、やっと重い腰をあげることが出来た。試験を受けるのは神経内科専門医以来なので約20年ぶり。4月、まず手始めに内科学会で出版されている書籍を購入し、パラパラページをめくりながら問題を解いてみたが、知識は曖昧で浦島太郎のような気分。今一つピントこなかった。
 先日、胆石の既往のある患者さんが来院された。お話を伺うと兄も姉も胆石があるという。私「あーそうなんですか」。患者さん「脾臓の摘出が必要なこともあるようですが、今のところ大丈夫と言われています」。ここまでくると、さすがの私でも気がつくことが出来た。「遺伝性球状赤血球症」という病気。患者さんのお話しは全て朝倉の内科学に記載されてあった。あらためて患者さんは一番の教科書だと思う。
 総合内科専門医と総合診療医、そして、かかりつけ医。最近、耳にする機会が多いが、その違いを十分に説明することは出来ない。ただ、私のような開業医の立場で考えてみると、外来では間違いなく身体的合併症を複数抱えた高齢の患者さんが増えてきており、そのため、表に出ている一つの症状を診ているだけでは不十分で、症状のある高齢の方の全体を診なければならないと感じる場面が多くなってきているということだ。
 秋の試験まで一ヶ月を切った。勿論、受かるに越したことはないが、大切なのは学んだことをどれだけ患者さんへフィードバック出来るか。以前、医師会の先輩Dr.が「主治医は患者さんの専門医」と話していたことを思い出したが、正にその通りで、ここを目標にしてみよう。そう考えると、それまで無味乾燥だった問題演習も楽しくなってきた。本番は250問。肩の力を抜いてチャレンジしてみたいと思う。

(C) Kamaishi Medical Association All rights reserved.