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釜石医師会報

No.323 平成28年4月号

大天場山の片栗の群生

八雲神社のある大天場山の北側の斜面には片栗が群生している。毎年4月になると、淡い紫の花を咲かせてくれる。これほど群生した片栗の花も訪れる人がなく、ひっそりと咲いている。片栗の花が咲く頃には大天場山では桜も咲いており、むしろ人はこちらの桜を楽しんでいて、片栗の花には気付いてないようだ。岩手はこの片栗の花を含めて山野草の宝庫でもある。

小笠原 和法

巻頭言

釜石健康チャレンジポイント事業にチャレンジ
NHO釜石病院 院長 土肥 守

 平成22年は東日本大震災が発生する1年前になるのですが、国勢調査が行われた年でもあり、各種の保健指標の数値が取り上げられる年でもありました。また、10数年前から死亡診断書からの死亡統計の取り方が変わり、脳卒中などは何番目にあっても主な死因となる事もあり、岩手県が脳卒中の年齢調整死亡率、日本一になってしまいました。その上、岩手県では釜石医療圏が一番死亡率が高くなり、必要のないところで、日本一を取ってしまったのでした。

 この様な結果については、我々、脳神経外科医にもかなりの責任があるという事で、釜石医師会の面々を始めとして、三大疾病による死因についての検討委員会を立ち上げ、昨年の3月に釜石市長さんに「提言」を提出しました。その中の目玉が、健康寿命を延ばして脳卒中死亡率を下げるには、リスクのある人も含めた行動変容だという事で「釜石市を中心にポイント制の健康事業を行っては」というものでした。
 それから1年が経ち、釜石市の方でも準備が進み、この初夏あたりから「釜石健康チャレンジポイント事業」として始まる事になりそうです。その肝は「釜石の人の利に聡いところ」ですが、医師会の皆さんの協力も重要です。皆さんの診察室での協力も可能ですし、あまり健康管理が良くない患者さんに「いろいろなイベントや取り組みに参加するとポイントがもらえて、いろいろな特典があるらしいよ」とそそのかして頂くと効果的です。
 このポイント事業の究極の目標は「健康に良い事や世の中に良い事を続けていけば、最終的には自分の健康につながり、自分が得をするのだ」という事をわかってもらう事です。そのための行動変容にポイント制度を使おうというわけです。介護予防のための取り組みは全国いろいろありますが、健康のための広い世代を対象とした取り組みはそう多くはありません。ぜひ、うまくいって、そのうち、大槌町も巻き込んで、長く続く事業になってくれたらと思います。
 ちなみに、私がポイントをもらえそうなのは、平田球場でのナイター野球、シーウェイブスの試合の観戦応援、釜石よいさへの参加、自分の病院の市民公開講座への参加、定内町内会の盆踊り、自分の病院での春の健診と秋の健診、冬のインフルエンザの予防接種などです。なお、国立釜石病院でのボランティアに来て頂いたり、うちのワンダースチームと野球の試合をしたり、市民公開講座を聴講して頂いてもポイントを差し上げます。
 勝負しながらポイントがもらえるので、ぜひ、医師会チームと対戦したいなぁー!(ポイント手帳も持ってくるのを忘れずに平田球場においで下さい!)

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