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釜石医師会報

No.320 平成27年10月号

夢のお船

この絵は十数年前の夢シリーズで制作したSM(サムホール)の小品です。少年の頃微睡んでいた時の夢の感動を描きました。
だが、この小さなお船で何処へ行くのでしょう?
若い時に夢見たお船は、老齢の現在では、天国へ導いてくれることは、夢のまた夢です。

岩井 利男

巻頭言

メディア漬けを見直しましょう
岩井 利男

去る7月28日に今年も平成27年度岩手県交通安全ポスターコンクール釜石市審査会の審査委員として出席し、小中学校よりの応募作品93点を審査してまいりました。この際に驚いたのは、スマホが絵の画題になっているのが数点出品されていたことでした。
日本小児科医会では数年前より「スマホに子守をさせないで」と強く学会でその危険性について発表され、一方マスコミにもその影響の危険性についての報道を要望していましたが、遂に学童のポスターにまでに画材になったのか、と嘆息せざるを得ませんでした。
ムズがる赤ちゃんに、子育てアプリの画面で応えることは赤ちゃんの発育をゆがめる可能性がありますし、親も子もメディア機器との接触時間の、コントロールが重要です。親と子のアイコンタクトや、会話、スキンシップが重要な時期に、スマホで親と子との重要な絆の形成が欠け、また赤ちゃんに話しかけることが、言葉の発達にはとても重要な「言葉の貯金」をしている時期、特に2歳までは子どもにテレビやDVD、スマホ、タブレットなどを見せることは控えて下さい。また乳幼児期は視力が発達する重要な時期ですのでテレビやDVD、スマホなどの小さな平面画面は長時間見ることは視力の発達を妨げ、視野が狭くなり、周囲への注意力が低下します。聴力、脳細胞の発達にも影響することが報告されております。
以上を要約しますと
1.2歳まではテレビ、スマホ、DVDは控える。
2.授乳中、食事中の視聴は止めること。
3.メディアへの接触時間を制限すること。
4.子ども部屋にはテレビ、DVDプレイヤー、スマホは置かないこと。
5.メディアの上手な利用ルールを話し合って作りましょう。
以上5項目となりますので、幼保関係の先生方には機会のある都度ご助言を賜れば、将来を支える子どもたちのために有難いと思います。

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