背景色
文字サイズ標準

釜石医師会報

No.319 平成27年8月号

五葉山のハクサンシャクナゲ10年ぶりの大満開

今年は、気候が温暖で順調だったため、五葉山の花は豊作の予想でした。案の定、ツツジがきれいでしたが、花の盛りに日程が合わず、咲き初めの頃にしか登れませんでした。その時、シャクナゲの花芽がきれいに出ているのを見て、これはと思っていたのですが、日程が本当になく、7月4日土曜日の院内のイベント後の午後3時から急いで登って撮った写真です。予想通り、白山シャクナゲは10年ぶりの満開で、釜石に来て15年になりますが、こんなに咲くのは2回目です。撮り終わって登山口に着くやいなや、日が暮れましたので、鈍足の割には頑張って昇って取った写真ですので、みなさんお楽しみください。

独立行政法人国立病院機構釜石病院 土肥 守

巻頭言

地域振興券(プレミア付き商品券)
鈴木啓之

 全国的に地域限定のプレミア付き商品券の発行が相次いでいる。プレミア付き商品券の購入でいかにも得をしたかのように思うけど、そのプレミア分の財源は元々自分たちが納めた税金である。
 そこで、いろいろ検証してみた。
1.財源である税金の内、所得税や住民税は収入額にスライドして納めているので、納税額が多い人ほどお得感は少ないことになる。
2.プレミア付き商品券を購入するために長蛇の列に並び、何時間も費やして購入することになると、普段の時給が高い人ほどお得感は薄れる。
3.得したプレミア分で本当に必要なものを購入しているか? 逆に、必要なものを購入するために使用したとするとその必要なものを購入するためのお金は貯蓄に回ってしまい景気刺激策にはならないのではないか。
4.地域振興のためと言いながら スーパーなど全国から商品を仕入れているところでも使えるということになると、その売り上げが必ずしも発行している地域や生産者に還元されないし、儲けが出た会社がその地域に納税していなければお金はむしろ本社のある中央に流れてしまう。
5.最後に商店街などでおこなうプレミア付き商品券と比較してみる。
 プレミア分の財源はその商店街が負担している。その商店街だけでしか使えない縛りはあるが財源を負担しても確実にその商店街で消費行動してもらうことでプレミア分を負担した以上の売り上げを期待できる可能性がある。となりの商店街との差別化を図ることで消費意欲をそそり、勝ち組になることをもくろんでいると言える。
 検証の結果感じるのは、個々の地域が発行することで刺激された消費行動も国全体でおこなわれてしまうことで差別化効果はより薄まってしまう。
 税金を投入し、次世代へ付けを回すようなことは望まない。

(C) Kamaishi Medical Association All rights reserved.