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釜石医師会報

No.345 令和1年12月号

釜石で開催されたラグビーワールドカップのフィジーとウルグアイの試合の様子です。釜石で開催された記念すべきラグビーワールドカップの初めての試合、そして結果として最後の試合になりましたが、西側のゴール裏のスタンドに陣取った小中学生の歓声が練習時から試合中もずっとにぎやかでとても爽やかでしたし、試合開始前のありがとうのフラッグや歌、大漁旗の乱舞などもずっと記憶に残っています。試合はウルグアイが僅差でフィジーを破り、釜石での試合らしい大金星をあげました。やったぞ!ウルグアイ!
 大会終了後は、釜石がキャラクター賞を頂きましたが、会場の内外のいろいろな取り組みや雰囲気が評価されたかと思います。次は、釜石シーウェイブスの試合でこんな風景を見たいですね。

独立行政法人国立病院機構釜石病院 土肥 守

巻頭言

堀耳鼻咽喉科眼科医院  堀 晃

 2011年3月11日震災。震災後8年9ヶ月過ぎました。震災で落ち込んでいた釡石市民に何か希望を、明るい夢を持たせたいという思いからラグビーワー ルドカップを釡石市で開催しようとの夢物語が現実となり成功裡に終わった。2試合行われる予定であったが台風の影響で1試合は中止となった。これも釡石ならではの出来事と思いあきらめがついた。釡石市での開催が決まってから鵜住居復興スタジアムの建設。それに伴う道路・周辺 の整備などは震災の復興の妨げになるとの思いがあった事は事実だが、結果的には相乗効果があったように感じる。
 震災により多くの医療施設が破壊された。その多くは仮設で診療し数年後本設で診療開始した。しかし、最後まで仮設で診療行っていたのは釡石医師会員であった。今年9月にようやく鵜住居地 区に戻り診療を始めた。岩手県で最後に復帰した診療所であつた。 復興に関わる工事等もほぼ終わりそのため釡石地区で働いていた人も居なくなってきている。 ラグビーワールドカップのお祭りも終わり、これからが震災後の釡石・大槌地区の進む道筋を決め て行く時である。
 平成に入ってからの人口減少・少子化問題は今となって現実味を帯び、社会全体の構造のひずみをきたし、これからの日本の進む道筋を不透明化している。特に震災後の沿岸地域の人口減少は深刻である。高齢化に伴う介護者の増加とそれを支える若者の減少は単なる人手不足の問題でなく社会全体に関わる問題である。釡石医療圏においても医師不足・看護師不足・従業員不足が現実味帯び、近い将来人手不足による医療機関関連の減少も起こり得ると考える。
 今こそ釡石医療圏の多職種と行政が『ONE TEAM』を組んで対策を考えていこう。

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