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釜石医師会報

No.316 平成27年1月号

ジョルジュ・ルオー作 「優しい婦人」

この絵は1971年に銀座の吉井画廊のルオー生誕100年記念で開催されたルオー展を見に行ったときに強烈なショックを受け、その印象を甦らせて描いた模写です。ルオーは太く黒い線と、鮮やかな色彩が特徴の、20世紀を代表する宗教画家です。人間が抱え続ける苦しみや悲しみを正面から見据えて表現し、多くの人を惹きつけて止みません。画集から模写したので稚拙ですがご寛容下さい。

模写  岩井 利男

巻頭言

年頭所感
釜石医師会 会長 小泉嘉明

新年明けましておめでとうございます。会員の皆様におかれましては、ご家族一同、健やかに新年を迎えられたことと心よりお慶び申し上げます。

東日本大震災より早や4年を迎えようとしています。日々の生活は少しずつ落ち着いてきているように思われますが、すべてにおいてまだまだといった感は否めません。まだ尚、仮設にて診療を行っている機関はあります。しかし、県立大槌病院を除いたほとんどの医療機関は震災前の医療体制に戻ったと思われます。今後は被災者、また復興に携わる人々の健康を守るため、なお一層の努力をお願いしたいと考える所です。

また今年は、昨年来進行している医療情報ネットワーク“OK(大槌・釜石)はまゆりネット”の進展(医療・福祉・行政)、また震災時の釜石医師会の記録誌の発刊(いのちの砦)、地域包括ケアへの協力(在宅医療・認知症対応・糖尿病医療)、新しいまちづくりへの協力等々、新しく取組み進めなければならない諸課題が多くあります。そんな中、県立大槌病院 院長 岩田先生の赤ひげ大賞受賞は、我々に取りましても明るいニュースでありました。心よりお祝いを申し上げます。

今年も会員一同力を合わせながら、新しいまちづくりにおける医療体制の構築に邁進していきたいと思います。地方における医療に関わる人数は十分に満足できませんが、地方創世の理念の通り、我々自ら考え、それを実行してこそ成就されるものと確信しています。

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