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釜石医師会報

No.311 平成26年4月号

足ヶ瀬駅を出発するD51

黒煙を上げ、蒸気を出し、足ヶ瀬駅を出立するところです。
 パソコンでトリミング・コントラスト調整などを行いました。力強さを表現できてよかったと思います。

岩手県立大槌病院 黒田 継久

巻頭言

震災より3年…
神林 敦彦

 3月11日、あの日から、まる3年が経ちました。

 震災により亡くなられた多くの方々に、改めて哀悼の意をささげると共に、行方不明者や身元不明者となられている方々が1日も早くご家族の元に戻られる事、また、仮設住宅に住む方々のいち早い安定した住居・生活に戻られることを願うばかりです。

 この3年を振り返ってみますと、早かったのか?遅かったのか?何とも複雑な感じがします。

 最近よく聞く言葉は「震災の風化」です。心配な言葉ですが、検索エンジンのYAHOOで「3.11」ネット検索をかけますと、「ユーザーに変わり、一人につき10円を寄付する」という企画が、当初50万人としていたところ2,650,832人が検索し2568万円あまりが東日本復興支援財団に寄付されており、目標を上回り、国内だけでなく海外の人達からも沢山の応援メッセージが寄せられているという報道に接し、様々な人が共存できるネット世界は「風化」を防ぐ強力な絆ともなっているようです。大きく目に見えることは少なくなっているかも知れませんが、小さく地道な支援活動は続いているのではないかと思います。

 あらためて、釜石の町中を考えますと、すでに再開した個人商店や金融機関の他”イオン”や”ルートインホテル”といった民間大手企業が原動力となりながら、人通りの増加、夜間の明るさ、など、にぎわいを取り戻しつつあるようです。町全体として見渡せば、前進の一歩の歩みであり、復興はまだまだではありますが、今後も復旧・復興に邁進していかなければならない状況と思います。又、この春の高校の卒業生は震災の年の入学で、卒業式のニュースでは進学等で県外などに出る子供達も各分野で学び、いずれは地元に戻り復興にかかわりたいと話すことが多く聞かれました。人材を育てていく事は、復興に欠かせない課題であり、強い意志を持つ子供達が頼もしくも感じられました。

 医師会においても、たくさんの困難や苦労を乗り越えて、いち早く復旧・復興を成し遂げ、医療崩壊を防いだ先生方の努力と忍耐力に心より敬意を表します。

 今度も会員で力を合わせながら、よりよい保健医療や介護が提供できるよう、前進していかなければならないと思った震災4年目の3月11日でした。

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