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釜石医師会報

No.309 平成25年12月号

白銀に輝く早池峰山

12月の早池峰山は白銀に染まり、背景の青空に身も魂も奪われる心地がします。
遠野物語や沿岸地区の口碑で、亡くなられた方々の魂はお山に帰ると伝えられておりますので震災後鎮魂の絵を数点描き、御霊安かれと祈りました。
その集結として、早池峰を合掌して書きました。

岩井 利男

巻頭言

釡石医師会の医療連携
堀 晃

 震災後3年近くになろうとしている。震災前には釡石医師会の開業医は19施設(大槌に6施設)、病院は6施設ありました。震災にて開業医は釡石地区で8施設、大槌地区にて6施設が被災。病院も釡石医療圏の中核である県立釡石病院が地震で病棟閉鎖、県立大槌病院、のぞみ病院の3施設が被災しました。医療圏内の約70%施設が被災したにもかかわらず、大きなトラブルもなく震災を乗り越えることができたことは普段からの医師会・行政等との医療連携が密であったから、早い時期に連携ある行動ができたからと考えます。県立釡石病院、のぞみ病院が早期に病院改築にて入院患者を受け入れ、被災した開業医も早期に仮設診療所を立ち上げ医療活動を開始。現在、開業医も釡石地区の8 施設(1施設は閉院)のうち6施設は元の場所において通常の医療活動を再開しておりますが、1施設は元の場所に戻れず未だ仮設診療所にて医療活動行っております。大槌地区の6施設(1施設は閉院) は元の土地に戻れず、3施設は新たな場所にて診療を開始し、1施設は来年初めには場所を変えて開院予定です。残りの1施設は現在釡石地区の仮設診療所にて医療活動をしておりますが将来的に大槌の元の場所に帰りたいようですが未定との事。県立大槌病院は再建のめどが立ったが現在も仮設診療所で医療活動行っております。しかし、被災したにもかかわらず各先生方は地域医療に貢献しており、敬服しております。

 震災後講演会を開催する場所がなく中断していた学術講演会も1年も立たないうちに開催され、3 師会の懇親・連携の場所となり、また震災による地域住民の健康管理への必要性、危機感が高まり医師会のみならず歯科医師会・薬剤師会・行政・介護関係などの連携が在宅医療を中心に震災前より強固になり活動しております。

 震災前から始まった医療再建計画の中の医療情報ネットワークシステムが今年度で最後となります。震災後 計画が中断するのを恐れておりましたが医師会のみならず歯科医師会・薬剤師会と介護関係施設との連携、そして行政も加わり大詰めの段階となっております。

 釡石医師会の医療連携の基本は、先人の築き上げた勤務医との関わり合いである。それは頻回に開催される学術講演会を口実にした?懇親会での付き合い。県医師会主催の野球大会参加などであります。特に野球大会は若い先生方との交流の場所として無くてはならぬものであります。野球大会前日の前夜祭は、医師だけでなく、家族、お世話になっている医療関係者、行政職員も参加し楽しいひとときです。

 来年も皆で釡石・大槌地区の医療連携を盛り上げましょう。

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